2017年11月6日月曜日

パーキンソン病を患っている方の生活について

 こんにちはお久しぶりです。

 私がブログを書くとどうしても暗くなってしまったり、一部の業種に不都合な話になってしまったりすることが多いので書く内容に非常に困るのですが、

 ホンマでっかみたいな形で受け取ってもらえれば幸です。何しろ最近ヒジキに鉄分がほとんど含まれていないっていうのがわかったくらいなので

 今主流だと思われている話もいつ「実は間違っていました」になるかわかりませんから。

 さて、私は外出できない方のために出張で施術を行うというスタイルで仕事をしていますがこれにはもう一つ大きな理由があります。

 それは、ご自宅に伺うとお客様とご家族の隠された課題がわかりやすいからです。

 今回はパーキンソンを例に出しますね。

 最近急激にパーキンソンの罹患患者は増えていますが、診断を付けやすくなったためと受診機会が増えていることも関係しているので一概に何が悪かったとは現状言いにくい状態です。

 日常生活を支援を受けながらでも問題なく送れている方はよいのですが、なかなか難しい場合もあります。

 身体能力だけではなく精神的にも不安定になることの多いこの病気は介護者の家族も大変な思いをされていることが多いです。

「布団の角の一ミリのずれが気になる。寝具の調整にうるさい」
「枕が合わない、布団が合わないと買いあさり結局使わない」
「水が飲みにくい。でもうどんやそばは食べられる」
「背中が曲がり、体をまっすぐに起こせなくなる」
「夜中に頻繁にトイレに行きたがり起こされる」
「うつやパーキンソンの本を買うが結局そこに書かれていることはやらずまた買う」

だいたいご家族からはこのような訴えを伺います。

 ここからは私自身の経験則でしかありませんが、多くの生活がうまくいかないパーキンソンの方が根本的に持っているものは

「大きすぎる恐怖感」

ではないかと思います。上の訴え例を分解すると

「布団の角の一ミリのずれが気になる。寝具の調整にうるさい」
布団が凸凹していたり、ちゃんとかかっていないと寒かったり、布団が重くて気になるのが気になって、ついいろいろ要求する。だいたいずれてるのなんてわかりません。気にしているだけ。

「枕が合わない、布団が合わないと買いあさり結局使わない」
だんだんと背中が曲がってきてあおむけに寝られなかったり、体のすわりが悪かったりするのを何とかしようとして、まず自分の身の回りに在る物品のせいにする。でも、身体も心もつらいので使いこなすという努力ができないのでアレコレ買い替えてしまう。
余談ですが健康器具マニアもこの典型
「水が飲みにくい。でもうどんやそばは食べられる」
嚥下能力うんぬんよりも実際にはのど越しを気にしていることが多いです。すこしでものどに引っかかったりすると詰まるんじゃないかという怖さが呼び起されるため、結果的にのど越しの良い食べ物を選びたがります。でも、実際にはうどんやそばの方が誤嚥しやすい。
「背中が曲がり、体をまっすぐに起こせなくなる」
転倒に対する不安が常に付きまとうことと実際にめまいやふらつきがあるため姿勢を低く低く保つようになります。時間がたつと身体能力が固定され圧迫骨折をしていなくても地面に直角な歩き方になります。
「夜中に頻繁にトイレに行きたがり起こされる」
実際に夜間頻尿の場合もありますが、たいていは夜間に不安になりトイレにかこつけて家人を起こしたり、不安そのものがさらなる頻尿を呼び起したりします。

このほかにも
「あの薬が合わない、新しい薬は調子が悪い。と頻繁に医者や薬を切り替えたがる」

インフォームドコンセントやコンプライアンスも大切ですが、大切なのは

病気を治すことそのものよりも「病気を治す過程の間、毎日生活するのが大変で疲れてしまう」

人間は病気が治るのを待つ間電源切っておくわけにいきませんから

闘病中や病気を抱えたうえでの生活の工夫がより大切になります。特に高齢の方にはこの部分こそが大切な部分になります。

 現代における病や介護との向き合い方は、治すことそのものよりもQOL「生活の質」をどう確保していくか?これを考えることがより大切だと思っています。


 ただ、出張してつらいところをマッサージしたり機能訓練したりでは解決しない課題が非常に多いので、私の場合生活すべてが治療の対象になります。