2017年1月24日火曜日

講演をしてきました。

 静岡県立特別支援学校に依頼されて、講演をおこなってまいりました。

特別支援学校での講演ということは当然、日常生活・社会生活の一部もしくはすべてに何らかの支援が必要な方とその関係者へ向けての講演です。

 あえてここに書く理由なのですが、お話をさせていただいて……って堅苦しいですね。

ブログなのでもう少し砕けた感じで書きます。

医療福祉の仕事をやっていて前から感じていたことなのですが

1、多くの障碍者とその家族は支援があるのが当たり前だと思っている。

2、健常者や支援が必要でない人は、手助けなしでは社会生活ができない方々の存在を意識していない


2に関してはこれは当然なんですね。

日本の経済発展の最初のほうでそういうことを意識しなくてもいい世界の中で教育を受けたからです。

当然なこととして世の中全ての基準はそれを意識した人にだけ見えるってことです。

たとえば、

株を買っていなければ株式市場なんて気にしない

多くの夫は妻が家計を考えて食事を作っていることを意識しない

多くの主婦は夫が会社でストレスを抱えていることを意識しない

子供は親の想いを受け取れず、親は子供の年齢なりの悩みを忘れる

政治に強く興味がなければ、選挙もいかない

これが大多数の普通です。


だから、支援が必要な人々の存在をそれを必要としていない人々が意識していないのは当たり前なのです。

支援が必要な人のことを考えましょうってとってつけたように先生から言われてもピンと来ない。だから福祉系の大学を出て現場に入っても「思っていたのと違う!」と辞める人が出てくるわけです。

それは薄情なのではなく、単純に認識がそこまで到達していないか適性がなかっただけです。

じゃあ
1、多くの障碍者とその家族は支援があるのが当たり前だと思っている。

これはいったい何なのか?

単純にびっくりして、混乱して、そのまま制度に流されているうちに「自助」の意識を忘れてしまったのではないかと私は考えています。

いい意味でも悪い意味でも制度が進んできてベルトコンベア式にわんこそば式に支援が進むので、考えるいとまがない。

これはケアマネをやっていて常に感じていることです。「支援待ったなし。死んじゃうぜ!?」っていう状況も多いので一概には言えませんが。

なので、外で介護や支援について話をするときに必ず入れる言葉が

「誰かが先に作った世界で、ルールに沿って生きなきゃいけない」

「まず、自分で努力する自助が存在し、その後互助 共助 公助があるんだ」

「いつか自分が支援を受ける側になる時が来る」

この三つです。

だからたとえ重い障害を持っていても仕事を持ってお金を得て税金を健常者と同じに払っていれば、それは健常者と同じです。

「でも、こういうところが大変なんだよ!」っていう方もいますが自分+一部支援で生活ができていれば普通の「社会人」です。

障害っていう部分にこだわりすぎている当事者が多いので、私は最初に今ある社会にどうやったら溶け込めるかを考えてほしいと言います。

ここまでですでに「えー!?」とか言われてしまいますが、今の政策「一億総活躍」で言えば

要支援者もサービスを依頼することで職業としての介護職が成り立ち、支援を受けながらその人に合った仕事を行うことで少しでも所得を得て経済に参加する。

これも一つの一億総活躍だと思います。

この系統の話は尽きることがないのでまた機会があれば書きますが、いろんな形の「自助」から始まるという考え方だけは私の変わらないテーマです。






2017年1月4日水曜日

男性の産後うつ

 一億総活躍や育児に参加する男性をイクメンと呼ぶようになり、男女の役割の違いがますます無くなりつつあります。

以前は女性に多い相談であった産後うつも男性の相談が産後うつ全体の2割になろうとしています(国立成育医療研究センターなどしらべ)

今回私がここに書きたい内容はやはり男性視点での予防の観点からです。


鬱になってからどうする?ではなくどんなことが鬱のリスクなのかという話。

基本的に「うつ」という症状の原因は

「自分はこうしたいけど、現状無理なのがわかっているから我慢しているけど、やっぱり我慢できないな……でも我慢してやらなきゃ……」

という心理状態です。すごく簡単に言った場合。



 私自身も現在極力育児に参加しては居ますが妻のようにはできません。無理です。


私の住むところは、「集落・町内会・組・班」という言葉が日常で出るくらいの場所なので男女の役割分担がはっきりしているため、目立つくらい男性が育児や家事に参加していると周囲の大人から以下のような発言を頂きます。

「旦那に仕事から子守までさせて、いい加減にしなさい」
「あんた自分の旦那に何させてんの!」

極端な例だと

「ご主人仕事ないのかい?」

これは地域的に「期待されている役割」「主観的常識概念の基準に沿った役割」というものが強く働くからです。

雑に言うと、うちの地域では「男は働き、女が家を守る」これが常識だからです。


つまり、男女がどうとか共同参画がどうとか言っても、どれだけ言っても

周囲に強く影響を受ける人間社会で生きていくには、

「ある程度周囲を見て合わせないと生きにくい」という話なだけです。周りに合わせる事自体がうつの原因になっている方の場合は別の方法で解決しなくてはいけませんが。

相談の一例ですが

家事や育児に完ぺきを求める妻が居た場合、当然収入についても夫と同レベルができなければおかしいですし

一極集中型の進化を遂げてきたオスという性別の存在に同時進行で色々やれっていうのも、相手の素養を見て頼むことが必要です。


妻のほうが仕事も家事も近所付き合いも完璧だったら、もうそれはなんというかそういう人と結婚してしまった自身を省みるしかありません。
そういう人がもし居たらの場合ですが、それは夫を必要とするのかどうか疑問ですが……。

あくまで男性目線の話なので、女性の方々には色々思うところもあるかと思いますが、

「仕事からかえって家でゴロゴロしてるから目につくのであって、そもそも仕事するふりして寄り道とかどう?」

「飲み代一回4000円よりも漫画喫茶3時間1000円のほうが経済的だし、目につかなくてすむし、家に漫画増やさなくてもいいし」

そういう考え方を提案します。実際やるかどうかは……。私の場合はしっかりバレてましたけど。

週六日仕事して日曜日も子守して、それくらい忙しかったらの場合ですが寄り道して少し遅く帰ってもいいと思います。

なぜなら、仕事と家庭で拘束され続けた夫がうつ病になってしまった場合「経済的なダメージが莫大になる」からです。そちらのほうが家庭崩壊の原因です。

あくまで男性目線ですが、夫を追い詰めて経済破綻させるのがいいか、長い目で見て生かさず殺さずでいくのがいいかの問題です。

これがリスク管理かと思います。乱暴ですが。