2018年4月25日水曜日

チック症についての治療手段

 私の治療院では主にチック症に対しては遊戯療法や認知行動療法を行うようにしています。
 ただ、普通にやっていてはチックの行動修正をやっているうちに、次のチック症状に移ってしまい振り出しに戻ってしまうので、


 具体的には

 周囲から見て不快と判断されやすい行動がチックとして出ている場合には、それを別の癖と置き換える方法を取ります。

 さらに具体的には
唇をなめ続ける、ストレスが続くとよだれが止まらないなら

唇を指でなぜる(軽く!) から
最終的に 指をこすり合わせる

に変化させていきます。

 あくまでその子の特性や精神状態 やフェーズ(どのような行動傾向か)で都度検討していきます。

 大切なことは誰しも、ストレスのサインというものは持っているので要はそれが周囲に影響を与えれば「問題行動」として扱われてしまうし、目立たなければ「癖」で済まされます。

 置き換えることを最優先に考えるのはいわゆる認知症や 中心症状・周辺症状と同一の考え方ですが日常生活や社会参加を第一に考えた場合すばやく適応させ自立させることが重要になるからです。

 遊戯療法はより単純で、集中していると問題行動が出にくくなるという点から多くの場合、治療方法として採用されています。

 ただし、この場合どうしても時間的余裕の無さからゲーム機などを与えてしまいそうになりますが、極力相手が存在するゲームを使うことで

集中力
交渉能力 
自他の比較力 
情報収集能力と分析力

を鍛えていく目的があるからです。

 これもまた、対象の子(大人でも)の特性や傾向を考えて複数のゲームを選んでいきます。

 

2018年4月12日木曜日

指のぽきぽき音にまた一つ研究結果がでたようです。

こんにちは森崎です。

 2018年3月30日の発表なのですが、何かというと

「指の関節のポキッっていう音は、気泡の破裂音だった!」

という話。

 何の話!?っていう方もいらっしゃるかと思うので下にまとめますと

これまでの研究結果
1、すべての関節が鳴るわけではない
2、一度ならしたら20分は再び鳴らせない

今回わかった新しい研究結果
1、ポキッという音は手の関節液の微小な気泡が崩壊する音だった。
2、ポキッという音は関節液の中の気泡一個分でもあの音がする。
3、2015年に発表された気泡が発生する際に音がするのではなく、割れるときに音がするということが分かった。


「だからそれがわかったからって言って何が変わるの?」

はい、これですよね。

治療家っぽい話をすると次のようになります。

1、ポキッていう音は関節がこすれ合ってなっているわけではないので、やりすぎたからと言って炎症が起きるわけではないということ。

2、同様に今のところ指が太くなる原因にはなっていないということ

3、指に関する研究結果だが、構造的に同一のその他の関節にも同じことが言えること

これです。鳴らしても特に問題はないよっていう話です。

ここからは、治療家として柔道整復師としての話になります。わかりやすく書くように努力します。

 ポキッ音がなるためには次のプロセスが必要なことが分かっています。

1、関節同士の間隔が開いて関節の中の圧力が急激に下がる。

2、圧力が下がることによって中に気泡が発生する(主に二酸化炭素)

3、圧力が戻ることによって、気泡が収縮して崩壊する。


 関節は曲げ伸ばししたり、ジャンプしたり着地したりすることで中の圧力が変わります。
 関節の中は密閉空間なので圧力が変化すれば中の水分が気体に変わります。

 でもそのすぐ後に、また圧力がかかるので気体はすぐに液体に戻ろうとします。その時に「周波数」が発生して音が鳴るわけですね。

 で、いままでは

気体ができた時に音が鳴るのか!?

液体に戻るときに音が鳴るのか!?

ってところで2015年から研究が進んできたということです。

 ただ、医学的な部分から見ていくと音が鳴る原因にはたくさんの物があります。

関節の曲げ伸ばしで鳴る音(北斗の拳的な)

固くなった腱や筋肉が骨や関節を乗り越えるときになる音(肩甲骨とかで良く鳴りますね)    

筋肉や腱が断裂するときの音(すぐに治療が必要です)

骨が折れる音(すぐに治療が必要です)

今回の研究結果は、あくまでその中のあえて関節を鳴らした時の音に対する説明です。

この、「音」がもたらす治療効果というのもあるのですがそれはまた別の話で書きます。