2018年2月4日日曜日

高齢者のごみ屋敷問題

 また微妙なテーマを……。とお思いでしょうがここではいわゆる

「積極的にごみ収集をして迷惑行為に及ぶ」ごみ屋敷ではなく

体力の低下、理解力の低下による生活能力の低下が原因の「ごみ屋敷化」の話です。

 いまだ、医療や世間では身体機能や精神機能の低下による要支援化を重要視していますが、バリアフリー問題で語られるところの身体機能のバリアではなく、理解力や知的能力のバリアの結果起きるごみ屋敷問題もあります。

 実際わたしが関わったケースを例に出しますと

 妻に先立たれ日常ごみの捨て方がわからなくなり、さらに自炊もできずパック惣菜を購入するようになった結果大量のごみ処理に困り、近所の川に不法投棄を始めたケース

 体力がなくなり、ゴミ捨て場まで持っていくことができなくなり部屋にごみを積み上げるようになった結果、異臭騒ぎとなったケース

 軽度の認知により収集日の理解が低下し間違った日にごみを出したことで近隣住民に注意され、ごみを出しにいけなくなりごみ屋敷化したケース

こんなケースと関わりました。

 すべての人が能動的にごみを集めていったわけではなく

捨て方がわからなくなる

間違えたら怒られて、怖くなって捨てられなくなる(分別義務も同様)

体力問題で捨てることができなくなる

 社会性活自体に根本的なハードルの高さがありそのことが問題の根底にあるとわたしは考えています。

 これは個人の社会生活ではなく現代の日本の社会全体のハードルの高さです。

 ちょっと良くわからないと思いますので、具体例を挙げさせていただきますと

そもそも

銀行に通帳とはんこを持っていき窓口の人に要求を伝えれば適当にやってくれた時代

ごみの分別など関係なく、黒いゴミ袋に入れて出せば回収してくれた時代

自身が家にいないときに隣の人が届いた荷物を預かっていた時代

子供が泣いていても通報されない時代

 そんな時代に生きていた方々が急にマイナンバーで管理され、細かい新ルールを強制され、何をやっても怒られるんです。

 適応していくのは非常に困難なのではないかと思います。

 私がここに記事を書いたからといってじゃあ何が解決するのかというと解決しないのですが、今社会に適応している方々に

 今の社会のルールがそもそも理解できていない方々が居るという事実をひとかけらでも知ってもらえるのではないかなと、そんな話です。

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