2015年11月10日火曜日

ぎりぎりアウトっぽいテーマ 不正請求摘発のうがった背景

趣味ブログからの転載です。よくお客さんから聞かれるもので。



医療界から芸能界から激震が走っている診療報酬詐欺ですが、いまここのタイミングかなと思いました。

今回の大規模摘発を斜め上から深読みすると

医療費、介護費はもはや公費で負担できないほど大きなものになってしまっている。

政策段階で薬価や医療点数の引き下げを行おうとしても、権力を持っている製薬業界や医師会がそれを許さないので骨抜きになる。

と、いっても医者の場合はこれ以上診療報酬を下げると、本当に食べていけなくなるので今既にぎりぎりです。

問題は薬代ですね。これがかかりすぎる。ただこの辺の話を突き詰めると別のコラムになってしまいますのでここでは語りません。ジェネリックを嫌がる患者側の問題とかもありますので。

今既に介護や医療の段階でも始まっていますが、リハビリの自費化(理学療法士が鍼灸師と組んで独立開業するケースも増えています。)や整骨院の自費化、歯科医師の自費化です。

患者が自分でお金を払ってくれればそれに越したことは無いので、現状この自費化(自由診療)は放置されるどころか加速しています。国がほぼ黙認しているからです。

これに加えてTPP合意による混合診療(保険と自費が混ざった診察)の普及によって健康保険制度の形骸化が懸念されています。

現在時勢は保険診療を停滞させて、自費診療・無保険診療が加速する流れになってきています。

整骨院も自費診療化に向けてセミナーが打たれたり、歯科医師も自費率を上げるためにコンサルが入ったりしています。

余談ですが、理学療法士がデイサービスを開業したり自費の整体院(リハビリセンターと銘打っているが自費でやる以上ただのサービス業に過ぎません)が増えている理由は小泉内閣時代の医療改革で理学療法士一人あたりが病院で稼げる点数が大幅に減って給料が頭打ちになったからです。ぶっちゃけると、病院づとめじゃ先が無いからってだけですね。生き残りをかけてます。閑話休題

また接骨院や歯科医師、この二つの業界に自費化が加速しているのは、後ろ暗いことをしている先生が多いせいです。
脱税は歯医者、不正請求は骨接ぎの代名詞みたいに扱われていた時代もありますので。ちゃんとやっている先生もいますが、怪しい請求している先生が圧倒的に多い。

クリーンにやるには自費しかないのです。


と、ここまでを書いて今回の大規模摘発から今後予想される流れを考えると気がつく人は何人もいると思います。

国として保険診療はアレしてアレしてしまう可能性があるわけです。医療も介護も!

ただこの流れが加速すると、じゃあ意味無いじゃんって保険料を払わない無保険の人が増えてきて現在の年金不信の状況が保険でも起きる事は容易に想像できます。

健康保険っていうのは、普段は自分で自分の健康を維持してどうしてもどうしようもない時だけ医者を頼るっていうのが正しいあり方です。

二日酔いで救急車呼んだり、空いているからって夜間診療に急患の振りしていくからおかしくなるのです。
それ以外にも医療業界にいる人たちの雇用とか生活の問題が絡んでくるから過剰診療や過剰投薬の問題が出ます。

医療業界ってすでにモラルハザードが深刻な状況なのです。

 国民は独力で健康を守り、専門職はよりクオリティの高い医療サービスを保険で提供する。これが本当なのです。

今回の件、摘発しっぱなしで終わらず、保険診療の適正化を推し進めてほしいものです。

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