2018年5月23日水曜日

安心 安全 というフレーズについて。

 こんにちは

 前回の記事とは打って変わって、介護系の話です。ですがこれは単なる読み物です。

 あーそういう考え方もあるのね程度で。

 私は16年前にケアマネの資格を取得しました。介護保険の法律は6年ごとに大きく変わるのですが、ケアプランの立て方もその6年おきにガラッと方針が変わります。

 介護や介護保険というジャンルがいまだに模索中だということの証左かと思います。

 まあ、そんな歴史っぽい話は置いておいて今回は

「安心」と「安全」というよく介護職の人間が使う言葉についてぶっとんだ考察をします。

 安心安全ってワンセットでプランテーマになるのですが、あんまり突っ込んで考える人見ないです。
 年度によっては安心安全というフレーズを安易に使用しないようにっていうおかしな通達も出たくらいです。

 なんかもう、プランに困ったら書いとけ的な使われ方をしていた時期があったせいですね。

 言葉としてぼけてしまう理由をちょっと考えてみたのですが、明らかなことが一つあります。

 「誰に対しての」 「安心」 で 「安全」なのかが明確になっていないことが多い。 

これです。反語にするとわかりやすいのですが

「安心」→不安のない状態

「安全」→危険のない状態

になります。

こうすると介護や支援が必要な人にとってもっとも重要で、ケアマネにとってはほぼ実現が不可能な事であるのがわかると思います。もうね

「あ、これ無理じゃね?」

ってこの言葉をプランに入れた瞬間に感じるくらいじゃないといけないんじゃないかと思います。

 さらに、これは「安全」を例にとったほうがわかりやすいんですが

 酒が大好きでたまらなくて、それが要介護の原因になった方が居るとします。

 この人にとっての安全は「飲酒を管理することで命の危険を下げる」ことですね。

 でも、そうすると確実にこの「人の心は安らげない」

ほら、もう矛盾してる。

いままでケアプランは安心安全とか、利用者本位とか利用者のやりたいことを優先してとかいろいろ言われてきましたが

敬愛する山口県の某准教授の言葉を借りると

「テキストがポンコツ」

 余談ですが安心安全っていう部分だけでもすぐに崩れてしまう矛盾でできているので、福祉系の大学出た人の中に数か月でやめてしまう人が出るんじゃないかと思ってます。

 ここ最近はこれでも、メタメッセージを感じ取るようにしようとか、利用者本人の課題とともにストレングス(残されている能力)を生かそうとかそういう風になってきています。

が、今度は難しくなりすぎて専門性が増してしまっています。

 これから単純なケアプランはAIが立てるようにする計画のようですが、数百万人の高齢者が歩んできた人生の到達点に無数の個々が求める安全 安心と生活の価値観があります。

 AIも「ザラキを連発しない」くらいには賢くなっているようですが、果たしてカバーできるのか?

 見ものです。

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