2015年9月30日水曜日

事例紹介 ネット 電話契約トラブル事例

検討議題としてまとまりましたので、先にこちらの方で紹介させていただきます。

長いので、この問題に直面している担当者の方やご家族の方向けとなります。
最後のほうに私たちが行った対処方法を書き記してありますのでお急ぎの方はそちらを参考に。

事例紹介:K.S

時系列

平成27828日 居宅支援事業所グレイスケアの議題に上がる。以下内容

「利用者様宅の電話が通じなくなり、担当ケアマネが契約会社のAUに問い合わせたところ、機械の故障かと思いますので新しい機械を送るので設置してくださいといわれた」

「ケアマネに設置する知識も責任もないため応じかねるがどうしたらよいか」
以上議題

会議の結果以下の課題が浮上した。

1機械の交換等はケアマネが行えず、また利用者は郵便物を紛失する認知症があるため、交換等はAU側でできないか

2光電話は停電等で使えなくなり緊急時に連絡がつかなくなる
3インターネットのない家にもかかわらず、ネット料金で毎月10000円近い通信料がかかっている(経済的に問題)

4認知症である利用者がいかなる手段で光電話とネットを契約するに至ったのか。聞きたい。

課題がまとまったため、AUに問い合わせ4点を確認

1について、作業員が利用者宅に来てくれるとのことで解決

2、3について、解約手続き等は委任状が必要である。またプロバイダーの解約はSO-NETに依頼してほしいとの回答

4について、委任状がなければ個人情報に関わることなので回答できない

その後、SO-NETに問い合わせたところAUと同様委任状がなければ手続きはおろか回答もできないとのこと。SO-NET担当者から、委任状を取得したらそれを送付してくださいとのこと

この日はこれで終了。


その後の調査で、一時期利用者宅に同居していた実の息子がネット契約を行ったことが判明。ところが、実の息子が利用者本人をAUに連れ出し契約をさせたため、現在実の息子も解約手続きができないということがわかった。(本人ではないため)

そこで委任状を担当ケアマネの名前で取得することになった。

9月15日取得した全権委任状に契約内容の再送付依頼書と契約解除の書類送付依頼を付けてSO-NET宛に書留で送付完了
(書留にした理由は担当ケアマネの意見により)

9月24日(木) SO-NETから担当ケアマネ宛に電話
解約についての解答のみ、電話番号の引継ぎはできず解約すると電話番号も変わってしまうことになるが良いかという話と
SO-NETは9月28日までに解約しなければ10月分も料金が発生するという話
である模様

模様というのは、担当オペレーターが技術的な話を早口でしゃべっていたため良くわからなかったとのこと。

後日回答するという話をして次の日、25日午前中に電話をしてもらうことになった。
が、午前中の話でも良くわからなかったため 

13時半に再度連絡をしてもらうことにしてこちらの会社のIT担当と利用者本人と地域包括支援センタースタッフと電話で打ち合わせをして以下のように決まった。

本人:電話番号は変わってしまってかまわない(既に電話がわかっていない)

包括ケアマネと担当ケアマネ 問題ないのであれば即刻解約だけしておきたい

IT担当:疑問点がいくつか残るのでそれを解決してから進めたい。

結果として以下の行動を取った 以下IT担当

NTTに連絡をして本人が加入権を保有しているのか、またそれを復活することができるのか本当に番号は変わってしまうのか
前者は、本人の委任状なしでケアマネの説明と事業所の所在、本人住所の確認のみですべて完了。
NTTから委任状と契約書のセットを本人宅ではなくケアマネの事業所へ送付してもらえることとなった。

後者は番号ポータビリティという制度があり、予約手続きをすれば番号を持ち越すことができるという回答を得た。
しかし、NTTと話した結論として番号持越しはSO-NET側の作業スピードと信用に難点があるため断念

2次にSO-NETに送った書留は届いているのかをSO-NETに確認した。

3解約手続き書の送付と契約内容の告知を無視している理由をSO-NETに確認した。

4 SO-NETは9月28日までに解約しなければ10月分も料金が発生するという連絡を24日にしてきたわけだが26日、27日が営業日でなく要請した解約手続き書も送らず、24日に期限の説明をおこなった点が、契約の引き伸ばしを示唆させる内容だが、故意に遅らせている意思はなかったかをあえて確認した。

5 解約するのであれば二年縛りの違約金について支払えとあるが、そもそも契約内容を伝えられていないのでいつ契約したものなのかを教えてほしい。



13:30のSO-NETからの電話に対しIT担当が上記の内容をすべて質問 以下の回答を得た

1、解約については25日付けで本電話を持って契約解除とする旨を了承させた

2、書留の件は担当オペレーターが確認していなかったとのことで再度確認のため電話保留 本社に届いたのが21日だったため内容確認が遅れたとの回答。

しかしながら、書留を確認したから委任者の連絡先に電話をかけてきたわけであり、その理由はおかしく確実に書留の内容をオペレーターは確認しているはずである。

3、解約手続き等の要請を無視している件については回答なし(一旦保留になり、本社家らの連絡が来ていないと回答された)

4、これについても解答なし(上と同様)

5、契約書に書いてあることについてサインしているためこれについては回避はできなかった。

(二年縛り問題については別の記事にて書きます)

ちなみに、契約終了後の通信機器の回収については返信用のパックを送るので機械をそこにつめて送り返してくれとSO-NETに言われたが、重ねてそのような行動ができない状態の契約者なので、そちらが責任を持って回収してくれと伝えた。が、SO-NETの返答はそれはAUの管轄なのでAUに言ってくれとのことだった。

契約はAU。
解約はSO-NET。
機械に対する責任はAU。

これでは契約構造が複雑すぎて一般人には到底理解できない。




今回の件に携わったものとしての意見(解決編)

上記についての質問に際しIT担当がそのまま行おうとしたが、委任者でなければ答えられないとかたくなであったため(個人情報保護法的には当然)、委任者である担当ケアマネに質問をしてもらった。以上のやり取りから同様の事件が起きたとき、または未然に防ぐための方法を考えた。

AUや携帯会社代理店やネットプロバイダー等は契約時は本人確認をおろそかにし、解約時は個人情報保護法を盾にして詳細を絶対に明かさず契約期間を延ばそうとしている行為が事実として今回の件で見られた。
送付した委任状と書類すら無視する有様でケアマネが委任状を書留で送ったことはファインプレーというしかない。

したがって、ケアマネ 地域の担当 また利用者の人権と利益を守るべき立場の地域医療連携の者はこのような事例に出会った場合 クレームを付ける前に以下の準備をするとスムースであると考える

情報収集能力 独居または認知症の方に関わる立場の人間は、介護業界の人間だけとは限らないので、逐次地域連携、医療連携を密にして情報を集めやすくしておく

全権委任状 (本人が関わることになるすべての人間に委任する形か法的人格そのものが委任されることが望ましい)

ケアマネや支援者ができることを明確に意識しておき、悪意ある業者に不明瞭な説明を並べ立てられても負けずに突っぱねられる知識が必要

即座に消費者センターに電話して相談する。


なお、本件の情報共有や公開については
SO-NET NTT AUから公開してもかまわないという言質をとっております。



次回テーマ「期間拘束契約中に認知症を発生してしまった場合の考察」


追記:消費者センターに今回の件と似たケースがないか問い合わせたところ、似たようなケースはざっくりと調べて発見されなかったとのこと。しかし、今後も起こりうるケースということで、センターでも引き続き調べてもらえることとなった。

また、センターの相談員からのアドバイスとして、このようなトラブルが起きた場合はセンターのほうでも代理を立てて通信事業者と交渉をすることも可能であること。

平成28年3月より「初期解除期間」という法律が施行されるので、不当な契約状態が早期発見された場合その制度を使って解除することも可能になるとのこと。



長々と読んでいただきありがとうございました。


0 件のコメント:

コメントを投稿